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私が1995年から栽培に力を入れていたハーブ,その名はナスタチウム.
ノウゼンハレン科(Tropaeolaceae) ノウゼンハレン属(Tropaeolum)の植物です.
和名はキンレンカで,冬の寒さに弱いので普通は1年草として扱われていますが,うまく冬越しすれば翌年も花を咲かせてくれます.私が住んでいる大阪では夏の暑さでやられてしまうので,秋に種を播くか信州で夏越しした株を挿し芽で更新して大阪に連れ帰り,無加温ビニール温室で冬越しさせて花を楽しんでいます.
そしてナスタチウムの仲間たち(トロパエオルム)にはイモの出来るタイプがあります.秋植え小球根として種苗会社のカタログで見かけたこともあります.我が家ではイモからスタートするものと自家採種した種からスタートするものとを栽培しています.
以前からインターネット経由で海外から種を入手したり,種交換したり,またオークションで種や苗を購入して栽培する方々も増えていました.ところが2018年10月以降,植物検疫が強化され輸入の際に「検疫証明書」が添付されていないとその種(苗)は廃棄または送り主へ返送されることになってしまいました.検疫証明書を付けてくれる業者なら良いのですが,ほとんどが中小零細ナーセリーでそれは無理,結局趣味の園芸家が海外の種を入手するのは限り無く不可能になってしまいました.それも違法に植物を輸入する一部の人達が居るせいで細々と楽しんでいる趣味の園芸家が割を食う形となり非常に悔しくやるせない思いです.植物検疫所に問い合わせたり,文句を言ったり要望を言ったりしましたが,個人は相手にしてもらえる訳もなく,対応してくれた職員も話は聞いて丁寧に対応はしてくれますが,決められた法律は曲げるわけにもいかずでどうしようもありません.インターネットのおかげで私が栽培を始めた1990年代から思えば世界が拡がり便利になったなぁ…と隔世の感がありますが,逆に便利さゆえにこういう事態になってしまったのが残念です.
それでもインターネットのおかげでワールドワイドの栽培情報(特に自生地の情報)が得られるのはありがたいですし,世界中の花友さんと情報交換出来るのは嬉しいです.
ここ数年,毎年「異常気象」と叫ばれています.大阪では総じて夏が長く秋の訪れが遅くなりました.秋は秋で長雨になったり,台風は大型化・凶暴化して酷い暴風雨になったり.それで種まきの時期に迷ったり,過湿のせいでイモがほぼ全滅したりと苦戦続きです.その上冬は大阪でも雪が積もったり,最低気温がマイナス4度くらいまで下がったりする時があります.春が訪れたと思ったらすぐ気温が上がり5月のGWにはもう初夏の気配になってしまうのです.こんな具合で植物を栽培するには厳しい環境(=栽培が難しい環境)になっていると感じます.そのため以前に比べて水はけ良い用土に改良したり,置き場所を考えたりと工夫が欠かせません.日々試行錯誤です.
下記にトロパエオルムの各品種を紹介します.すべて学名表記です.日本語の読みは適当に書いてますので正確ではありません.
トロパエオルムの品種に関してはかなり混沌としています.種苗メーカーですら正しい品種を把握しているとは思えない状況です.種を播いて発芽して「これはカタログの品種と違う」と思ったこともあるし,実際開花を見てから「あれ?これはおかしい」と思う事も多々ありました.というか,最近になってようやく「おかしい」という事に気づくようになったのです.それまではあまりに情報が無くて種苗メーカーを信じ切っていましたから.
おまけに交雑が起こりやすいことも分かり,なおさら品種は混乱してしまいました.最近の研究では,どうやら自生地でも純粋種以外に変わり種も出て来ているようです.趣味で栽培する分にはあまり厳密さを求めず,ゆる~りとトロパエオルムの世界を楽しめたら良いかと思っています.我が家でも 毎年栽培を繰り返しているうちに様々な品種が混じり合い,ベランダで採取出来る種はほとんどハイブリッドになっています.そのため親がazureumでも子孫でピンクの花が咲いたり,黄色の花が咲いたりしています.ベランダを飛び交う蜂たちの作り出した「自然の芸術作品」です.
下記の内容も徐々に新しい情報へと書き直していきたいと思っていますが,なかなか更新が追いつかず…お気づきの点があればご指摘下されば嬉しいです.どうぞ気長にお付き合い下さい.(2019/02/04記)
・Tropaeolum majus
(トロパエオルム・マユス)
原産地:メキシコ,ペルー
普通ナスタチウム(キンレンカ)と言えばこの植物のことです.園芸店でごく一般的に種や苗を入手することができる品種です. 花色は赤やオレンジ,黄色,サーモンピンクなどで美しく,一重のものや半八重のもの,草丈の短いものからツル性で数mにまで伸びるものまでバラエティに富んでいます.葉が斑入りのものもあります.寄せ植えやハンギングバスケットにもよく使われています.花や葉は食用になり,特に葉はピリッとしたワサビ風味が特徴で,エディブルフラワーとして人気で料理に用いられます.
Tropaeolum majusの仲間→「ナスタチウム品種別一覧」
ダリアのような超八重の花を咲かせる珍しいナスタ.これは種の出来ない品種なので,挿し芽で増やすしか手がありません.「枯れたらそれまで」という,スリルを味わえるナスタなのです.(^o^)
花色が朱色の「ヘルマン・グラショフ」をはじめ,アプリコット色した「アプリコット・ツイスト」という品種があります.97年T&Mカタログで見かけて気になっていた所,2000年になって友人からのイギリス種苗会社情報とRHS(英国王立園芸協会)発行の”PLANT FINDER 1999-2000″からの情報を元に問い合わせをして,個人輸入にて花色がカラシ色の「ダージリン・ダブル」という品種を3月に入手する事が出来ました.また,HPを見て下さった方からの情報と苗提供のありがたいお申し出により,ついに念願の「マーガレット・ロング」(T&Mの「アプリコット・ツイスト」と同一品種と思われる)を入手し,これで超八重ナスタ3品種が揃いました.
1997年5月の出会いから2001年4月に3品種揃い咲きに至るまで,これら超八重ナスタとのお付き合いを記載しています.→→→「超八重ナスタチウム3兄弟」
・Tropaeolum minus(2017/12/30更新)
(トロパエオルム・ミヌス)
原産地:ペルー,エクアドル
園芸種でminusと名の付いているものは,株がコンパクトにまとまり草丈20センチ程度.本来のminusはつる性で茎がグングン伸びます.種苗会社のカタログではT. minusの名で出回っているものがあり,ここでもT. minus ‘Princess of India’ とT. minus ‘Ladybird を掲載しています.
また,フランスの栽培仲間からT. minus の種を頂き,2017年春に本来の品種の姿(左画像)を見る事が出来ました.
・Tropaeolum argentinum(2011/03/10)
(トロパエオルム・アルゲンチナム)
原産地:アルゼンチン北部サルタ周辺,標高1500mまでの付近
1年草でイモは出来ません.気候が合えば通年咲いているようです.
以前海外の方から種を分けて頂き播いたのですが発芽せず,2010年秋に初めて発芽に成功しました.どうやら種の新鮮さが重要なポイントのようです.その後の成長は目を見張るものがあり,発芽から2ヶ月後にはもう開花して,その急成長ぶりに驚かされました.冬の寒さには弱く,耐寒性はT. majusより弱いです.初めての栽培時は夏になる前に枯れてしまい,耐暑性は分かりませんでしたが,その後種まきしたものが夏に酷暑の大阪北バルコニーで発芽し,その後普通に成長してドンドン花を付けていた事を思うと耐暑性はあるけど耐寒性は無い,という性質のようです.(2021/06/09)
・Tropaeolum azureum 栽培に関する概要(2010/05/13改訂)
(トロパエオルム・アズレウム)
※※※ この「栽培に関する概要」はazureumだけでなく,ほとんどの球根ナスタチウムについてあてはまります.参考にして下さい.※※※
原産地:チリ北部~中部
「アズレウム」と呼ばれるこの品種は,園芸種T.majusには無い花色をしており,それだけに人気も高いようです.故郷がアンデス山脈なので日本での栽培は難しいと思われていましたが,ライフ・サイクルの解明で日本でも充分栽培できることが分かりました.
栽培に挑戦し始めた当初は詳しい情報が皆無で発芽させることにすらかなり苦戦を強いられましたが,苦節3年ようやく2000年春に開花させることが出来,それ以降は順調に開花しています.結局種の新鮮さがポイントのようです.コツが分かれば後は簡単,ある程度放任でも栽培できるようになってきました.そこで数年にわたる体験を元に「栽培に関する概要」を作りました.
・Tropaeolum beuthii
(トロパエオルム・ビウシィ)
原産地:チリ 標高0-2000mエリア
種が入手しづらく,たった1度だけ入手出来て2006年に奇跡的に開花までたどりつけました.1月に種まきして3月に発芽,5月に開花というスピード成長ぶり,開花したのには驚きました.レモンイエローの爽やかな花です.
ここでは2002年度の栽培記録を紹介しています.
・Tropaeolum brachyceras (2017/12追記)
(トロパエオルム・ブラキセラス)
原産地:チリ中部
初期の頃(2000年頃)栽培していたのはどうやらブラキセラスの交雑種のようで,2011年春にようやく「ホンモノと思えるブラキセラス」に巡り会うことができました.葉が全体的に丸みを帯びて花はきれいな黄色,ガクは黄緑色単色で短いのが特徴です.
ここでは2002年度の栽培記録を紹介しています.
・Tropaeolum ciliatum(2004/08改訂)
(トロパエオルム・シリアツム)
10mにも伸びるつる性植物で,葉は青花ナスタの葉に比べて丸みを帯びています.茎は黄緑色で,花は黄色です.2000年にイモを入手し,2001年晩春,開花に成功しました.この品種は青花ナスタとはライフ・サイクルが異なり,夏場も成長を続けます.冬は大阪の気温で越冬しますが,あまり成長しません.
・Tropaeolum fintelmannii ssp. olmosense(2012/01更新)
(トロパエオルム・フィンテルマンニー)
フランスのトロパエオルム愛好家から種を分けて頂き2011年秋に種まき,栽培に初挑戦.これはargentinumやmoritzianum,smithiiのようにイモが出来ないタイプです.葉の形が一種独特で個性的です.自生地はエクアドル中央からペルー北部にかけてで4~7月に開花するようです.
・Tropaeolum incisum (2009/07/21更新)
(トロパエオルム・インシスム)
2002年度の栽培記録(2004/08改訂)
2002年にChiltern Seedsで種を入手し,初めて栽培に挑戦した品種です.なかなか発芽してこないので,半ば諦めていたのですが,いったん発芽するとみるみるうちに成長し,3カ月ほどで開花に至りました.
・Tropaeolum huigrense (2014/08/04)
(トロパエオルム・フイグレンス)
フランスのトロパエオルム栽培仲間から種を頂き初挑戦した品種です.一年草でイモは出来ず,枯れたらおしまいの品種です.冬場は南ベランダの無加温ビニール温室で過ごしました.翌年春には次々と開花,結実しやすく,たくさん種が採れました.春暖かくなってから蓼科へ移動したのですが,季節外れの暑い日があり干からびてしまいました.暑さには弱そうです.
ここでは2013年度の栽培記録を紹介しています.
・Tropaeolum austropurpreum(2017/12改訂))
(トロパエオルム・アウストロパープレウム)
以前T. hookerianum ssp. austropurpreumやT. lepidum の名前で扱われていた品種は,今では T. austropurpreum として分類されています.
栽培記録は当時呼ばれていた名前(誤った名前)で作成されています.ご了承下さい.
T. austropurureumは チリのプロ・コレクターにより種が集められましたが,残念ながらT. lepidumとして同定されてしまったため,間違った名前で流通し,RHS Plant Finder 16th editionにもこの名で載っているようです.(John Watson & Ana Flores, Curtis’s Botanical Magazine 2010 vol.27(3)より)
・Tropaeolum leptophyllum(2016/04/21)
(トロパエオルム・レプトフィラム)
フランスの栽培仲間からPlant World Seedsでレプトフィラムの種を扱っていると教えてもらい,すかさず種を入手し 2015年10月に種まき実施,2016年4月無事に花を見ることが出来ました.花は鮮やかなヤマブキ色,sessilifoliumに似た葉と花の形をしています.距は長くて2cmほどもあります.
・Tropaeolum looseri(2018/03/29)
(トロパエオルム・ルーセリイ)
UKのRarePlantsから”Tropaeolum leptophyllum”として輸入したイモが,成長するにつれ今まで栽培したことのあるleptophyllumとは葉が異なることが分かりました.調べた結果,”Tropaeolum looseri”と判明.初めて栽培する品種で品種間違いもたまにはラッキーな事があるんだと思った次第です.
この品種は南米チリの標高1300m付近に生息しているようで花色は黄色,長い距を持っています.
・Tropaeolum moritzianum(2011/03/28)
(トロパエオルム モリツィアナム)
原産地:グアテマラ~コスタリカにかけての中央アメリカ,ベネズエラとコロンビアのアンデス山脈
この品種についてもあまり情報は無く名前すら聞いたことが無かった品種でした.2010年秋,海外フォーラムで知り合った方から種を譲って頂き,初挑戦・初栽培です.発芽率100%の素晴らしい種でした.発芽後の成長ぶりは目を見張るものがあり,その葉の大きさは他の品種と異なりかなり巨大なものです.
この品種は1年草でイモが出来ません.
・Tropaeolum sessilifolium
(トロパエオルム セシリフォリウム)
種苗会社(海外)からT.sessilifoliumとして種を購入し疑わずに栽培していましたが,2007年1月イギリスのRichard Clifton氏より,品種違いではないかと指摘がありました.南米チリ産で,この品種に関してもあまり情報はありません.ところが2009年になってこれはやはりsessilifoliumではないかという議論が持ち上がっています.今のところ品種は定かではありませんが,とりあえずsessilifolium として扱っておきます.
これは2003年5月に初めて開花しました.淡いクリーム色の花弁で,花の大きさはazureumやbrachycerasよりも大きめです.
ここでは2002年度と2005年度の栽培記録を紹介しています.
・Tropaeolum pentaphyllum(2010/05/13更新)
(トロパエオルム ペンタフィラム)
幾度か種を入手して栽培していましたが,2008年度(2009年春)にようやく花を見ることが出来ました.それも種は2007年に蒔いた物が翌年秋に発芽して,開花するまでは正体不明として栽培していたものです.これはT.azureumとは異なり,元来夏に成長するタイプです.
大阪で栽培していると他のトロパエオルム同様,暑さにやられて花が終わってしまいます.ところが地上部が枯れかけた状態で初夏に蓼科に連れてきたところ,しばらくして復活し葉が茂り始めました.その後どうなるか要観察です.(09/07/18記)
・Tropaeolum peregrinum(カナリー・クリーパー)
(トロパエオルム ペレグリヌム)
2000年度の栽培記録
英名「カナリー・クリーパー」.これは発芽もしやすく,栽培も簡単.ただ,つる性植物なので,伸びる・伸びる!97年に初めて栽培しましたが,あまりの伸びに困惑しました.ちゃんと這わせる物を用意する必要があります.大きなトレリスとかがあれば立派な株が出来るのでしょうが,あまり狭いベランダ向きではありませんね.(^_^;) 97年には,1つ2つの花は見れました(花色は黄色)が,結局ハダニの被害が大きくて枯れてしまいました.
ここでは,2000年に栽培した時の様子をレポートします.発芽~開花までは良かったのですが,やはりこの年もハダニと夏の暑さで,残念ながら結実までは至りませんでした.
2004年度の栽培記録
それならば…と今度は秋まきに挑戦です.
2004年10月に種まきしてほどなく発芽,暖冬の影響もあり,12月に開花しました.寒い時期は花保ちが良いので長期間楽しめます.ただ,雪の舞う時と最低気温が氷点下になる時には要注意です.
・Tropaeolum polyphyllum (2017/06)
(トロパエオルム ポリフィラム)
黄色の花が咲くはずのポリフィラム.青花ナスタとは異なり夏場に成長するタイプです.そのためイモを得るところまでは栽培が進むのですが,どうしても夏になると干からびてしまい,花を見ることが出来ません.酷暑の大阪ではとても栽培は難しいので,蓼科で地植えにしたり鉢植えにしたりと悪戦苦闘を続けています.
蓼科では引越がありポリフィラムも新天地に植え付けました.毎年ゴールデンウィーク頃に顔を出すのですが,その後の暑さで梅雨明けにはダメになってしまう…を繰り返していました.ところが2021年にはついにゴールデンウィークにも発芽が見られず,地中のイモがダメになってしまったようです.入手困難なものなので非常に残念です.(2021/06/09)
・Tropaeolum smithii(2010/09/13)
(トロパエオルム スミシー)
Chiltern Seeds で入手した種をまき芽生えたsmithii.中でも9月蒔きして同年11月末に開花の超スピード開花にはビックリ.
2009年度smithii栽培のページへリンクしています.
・Tropaeolum speciosum(2010/09/13)
(トロパエオルム スペキオースム)
2000年から細々と栽培しているT.speciosum.発芽はしてもちっとも花が咲かずのまま早10年経ってしまい,最初の株は既に消えてしまいました.2009年2月,画像を追いながら今までの記録をようやくまとめました.いったん消えてしまったspeciosumですが,2009年秋に共同購入でUKから根を入手することが出来,再挑戦中です.果たしていつ開花に巡り会えるのやら…と思いつつ,栽培を続けていましたが,庭の引越をする前に消えてしまいました.
・Tropaeolum x tenuirostre(2010/09/13)
(トロパエオルム テナイロスター)
2008年に初めて種を入手したT.tenuirostre.南北に長い南米チリの中央部(標高1500m付近),ブラキセラスとトリコロールが生息する地で自然に生まれた交雑種.1年がかりでようやく発芽を果たし,どんな花が咲くのか興味津々.→結果はまさにトリコロールの小型.花姿も花色も同じでミニサイズ!
・Tropaeolum tricolor (2004/08改訂)
(トロパエオルム・トリコロール)
・原産地 ボリビア,チリ
つる性で「低木とつる植物図鑑1000」(英国王立園芸協会編プラントフォトガイドシリーズ)p.238に掲載されています.耐寒性で最低温度5度とされていますが,大阪の我が家ではベランダの無加温ビニール風除け室で越冬しました.極寒期には-3度前後にまで気温は下がっています.葉の形はアズレウムに似ており,ガク(赤・黒)と花びら(黄色)で奏でる3色のハーモニーが特徴的です.
ここでは2000年度栽培記録を紹介しています.
・Tropaeolum tuberosum ‘Ken Aslet’ 2010年の栽培記録(2011/01/27)
(トロパエオルム チューバロスム ’ケン・アスレット’)
これは園芸種でイギリスで一般的に流通しているものですが,Tropaeolum tuberosum と言えば,イモ・ナスタの権化で,南米(ペルー,ボリビア)原産の地域穀物(マイナー・クロップ)として有名です.この穀物は「アニュ」「マシュア」等と呼ばれており,いびつな形のイモで,現地(ペルー)でこれを実際に食べた事のある人によると「百合根のような感じだがそんなに甘味は無い」との事でした.園芸種’Ken Aslet’のイモは長さ5センチほど,直径約2~3センチでいびつな形をしています.
ここでは2001年度栽培記録を紹介しています.
・Tropaeolum hybrids(ポリフィラムとして販売されていた物) (2004/08改訂)
(トロパエオルム ハイブリッド)
2000年サカタの夏・秋カタログで極小球根として取り扱いがあったので,早速申し込んでみました.届いた球根は青花ナスタの球根ととても良く似た直径2センチほどの小さなものでした.早速5号鉢に植えて栽培していたところ,2001年2月に1株が開花に至り,4月には3株とも開花しました.
ところが2004年,「世界のワイルドフラワー 2 学研の大図鑑」(大場秀章著, 学習研究社)に載っているT.polyphyllumを見ると明らかに葉の形・色が異なるのに気づきました.奇しくも同日,Tropaeolum仲間を栽培されているZephyrusさんより同様のご指摘を頂きました.今までT.polyphyllumとして紹介してきましたが,どうやらこれは間違いだったようです.ここに訂正して皆さんにお詫び(まるでお役所仕事のように訂正が遅くなってしまった事も)いたします.m(_ _)m
う~ん,となればこの植物の正体は何?(~_~;) 正体不明のまま,栽培継続しています.
2005年に原産地である南米チリ在住で園芸家のUrsulaさんに画像を見て頂いたのですが,「ブラキセラスに似ている」との意見を頂きました.確かに似ているような,似ていないような….もしかしたらブラキセラスの雑種なのかもしれません.