ナスタチウム関連の参考文献と言っても,「ナスタチウムだけ」載っているという書物は日本にありません.ところが,世界にはあるんですねぇ.(^o^) 全て英語の文献で,イギリスから取り寄せました.なんせ英語で読解は遅々として進みませんが,世界に知られているTropaeolum属の仲間はまだまだたくさんある事,みな南米原産である事,品種同定で見解の相違がある事(これはどんな植物にでも起こるんでしょうが)など,この植物に関する興味深い内容がたくさん記されています.(2002年記)
参考文献 1)
Tropaeolaceae (Edition1)
The Geraniaceae Group
Order Geraniales Species Check List Series
compiled by R.T.F.Clifton (1999/12発行)
これは,青花ナスタを発芽させる際に非常に参考になる文献.全26ページ.「青花ナスタの発芽には,霜降るような寒気が必要なのではなく,短日条件が必要なのである」という一文は「目からウロコ」でした.経験上編み出した「秋まき」はまさにその条件に合っているわけで,「だったら種まき前に冷蔵庫で寒さに当てなくても良いのでは?」という疑問につながります.
2001年後半からの種まきで,この件に関する実験を行う予定です.
※今までは実際秋播きでうまく発芽していましたが,2020年近くからは地球温暖化のせいか秋になっても気温がなかなか下がらず,発芽も不安定になってきました.冷蔵庫まきでタイミングを見る方法が有効になるかもしれません.(2021/08追記)
参考文献 2)
8:Tropaeolum News n.1 with contributions from growers
The Geraniaceae Group(2000/8発行)
文献1)と同じくThe Geraniaceae Groupによるもの.世界各地のTropaeolum属栽培家からの情報が集められている,全21ページの手作り感覚のコンパクトな冊子.カラーページも有り.
参考文献 3)
11:Tropaeolum News n.2 with contributions from growers
The Geraniaceae Group(2001/8発行)
文献2)の続編.2)と同様,各地のTropaeolum属栽培家からの情報が集められている,全29ページの冊子.カラーページも有り.
※参考文献の1)~3)は,フウロソウ関連の愛好家が集うイギリスのサイト,THE GERANIACEAE GROUP のブックリストに載っていてR. Clifton氏から直接入手しましたが,今はこのグループは新規にThe International Geraniaceae Groupとなり会員制になっているようです.(2021/08更新)
参考文献 4)
A Taxonomic revision of the Tropaeolaceae
Opera Botanica Number 108-1991
Benkt Sparre and Lennart Andersson(1991/8発行)
ISBN 87-88702-38-3
Tropaeolaceae(ノウゼンハレン科) には,Tropaeolum属(キンレンカ属) の他にあと2つの属があり,Tropaeolum属の中でも普通のナスタチウムと青花ナスタは異なる仲間に分類されている…という事を知った本.茎・葉・花弁・果実・花序など植物を分類する上で基準になる項目が説明され,各品種の説明と,生息地域といった植物地理学の分野も含んでいる文献です.全139ページ.写真はありませんが,各品種のイラストと地図は多数載っています.